ハレー彗星にこめられた思い
- 伊達 光湖
- 2019年12月23日
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ハレー彗星がやってきた年のことです。公園の石山の上に腰掛けて、ケンちゃんのパパとママは夜空を眺めていました。流れ星が一つ過ぎるごとに二人は願いごとを唱えました。『ケンちゃんがお話できるようになりますように…』4歳のケンちゃんには言葉がなかったのです。せめてケンちゃんに『パパ』『ママ』と言ってほしい。それが二人の願いでした。
そんなある日、ケンちゃんのママが訪ねてきました。彼女は玄関にしゃがみこむと、いきなり泣き出したのです。『ケンちゃんが白血病になってしまったの。言葉なんて話さなくていいから、ケンちゃんに生きててほしい。』
彼女のハレー彗星にこめられた願いは『生きてほしい』という願いに変わりました。
あれから10年、ケンちゃんは元気に復活しました。言葉も少しずつでてきました。ケンちゃんが『今日も元気に、生きていてくれる』ことに感謝するようになってから、彼女は焦らず、諦めず子供の成長を見守るようになったと言います。
『そうしたらね、驚いたことに言葉がでてきたの!』

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