2019年12月23日読了時間: 1分銀のスプーン 幼い頃の君は銀のスプーンが好きでした。時おりポケットから出しては、逆さまに映る自分を眺めていたね。躓いて転んで悲しくなった時も、しばらくすると君は、銀のスプーンを眺めてニッコリ笑っていました。 『逆さまに映るスプーン』 つまりあのスプーンは、悲しい事が楽しく映るスプーンだっ...
2019年12月23日読了時間: 1分ハレー彗星にこめられた思い ハレー彗星がやってきた年のことです。公園の石山の上に腰掛けて、ケンちゃんのパパとママは夜空を眺めていました。流れ星が一つ過ぎるごとに二人は願いごとを唱えました。『ケンちゃんがお話できるようになりますように…』4歳のケンちゃんには言葉がなかったのです。せめてケンちゃんに『パパ...
2019年12月23日読了時間: 1分どろだんご泥だんごを作るのが大好きだった次男。毎日幼稚園で泥だんごを作っては、ポケットに入れて持って帰っていました。『毎日こんなにお団子を持って帰ってきたら、幼稚園の土が減っちゃうよ!返しに行こうね。』そう言って泥だんごをいっぱい車に積み込んで、幼稚園に返しにいきました。...
2019年12月23日読了時間: 1分ムスカリ今年もバルコニーに、ムスカリの花が咲きました。21歳の長男がまだ小学校の頃、間引かれて校庭の片隅に捨ててあったムスカリを『可哀想だ』と言ってバルコニーの鉢に植えました。あれから10年、春になると必ず花を咲かせるムスカリ… 長男は今、メルボルンにいます。 ( 2013/春)