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銀のスプーン

幼い頃の君は銀のスプーンが好きでした。時おりポケットから出しては、逆さまに映る自分を眺めていたね。躓いて転んで悲しくなった時も、しばらくすると君は、銀のスプーンを眺めてニッコリ笑っていました。 『逆さまに映るスプーン』 つまりあのスプーンは、悲しい事が楽しく映るスプーンだっ...

マーくんのポケット

マーくんのポケットには、いつも宝物がいっぱい入っていました。マーくんは毎日裏山に出かけると、気に入ったものをポケットに入れていました。石ころ、木の枝、カマキリの卵…。マー君にとっては、どれも大事な宝物でしたが、ママにとっては悩みの種でした。『どうして?』って、それは、ある朝...

ハレー彗星にこめられた思い

ハレー彗星がやってきた年のことです。公園の石山の上に腰掛けて、ケンちゃんのパパとママは夜空を眺めていました。流れ星が一つ過ぎるごとに二人は願いごとを唱えました。『ケンちゃんがお話できるようになりますように…』4歳のケンちゃんには言葉がなかったのです。せめてケンちゃんに『パパ...

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