春に大阪から転勤してきたヒナちゃんが、秋に広島へ越して行きました。最後のプレールーム、ミッチャンのパパとママからお別れにパーシーのポシェットを首にかけてもらいました。ヒナちゃんは、しばらくそれを見つめていましたが、涙がポロリ。その後元気にみんなと遊び、コウちゃんのママにもらった送別会のお菓子を嬉しそうに食べました。
転勤と言えば、私にも色んな思い出があるのですが、私は沢山の子供たちを送り出す側でした。私の夫はある企業の研究者で、あまり転勤はなかったのですが、同じ会社でも事務の方たちは1、2年で転勤していきました。息子たちが幼い頃、そんな事務の方々を見て、転勤の少ない研究者の家庭で話し合いました。転勤族の子供たちを『暖かく迎えて、暖かく送り出そう』と。まず、引越してくる当日、子供を私の家で預かりました。同じ棟の子供たちみんなで新しく来た子を迎えました。他のお母さんたちで、食事を作ったり、引っ越しの手伝いをしました。お誕生会、こどもの日、ハロウィン、クリスマス… 子供農園もやりました。自分たちで植えた野菜をみんなで収穫し、みんなで料理しました。サツマイモは、葉は腐葉土に、茎はきんぴらごぼうのように炒め、蔓は乾燥させて、クリスマスのリースを作りました。出来るだけ色んなイベントをやって『思い出をいっぱい作って送り出そうね』と、研究者の家で話し合いました。ある日、同じ階段の仲良しのナナちゃんとシンちゃんのパパが、転勤になりました。社宅を出て行く引っ越しのトラックを追いかけて、長男はポロッと涙を流しました。そしてその10年後、長男とナナちゃんとシンちゃんは、オーストリアで再会したのです。長男はオーストリアの高校へ、ナナちゃんとシンちゃんはパパの転勤でシドニーへ。
転勤族のママたち、子供を不憫だと思わずに、こう考えてほしいのです『我が子は沢山の人と出会い、沢山の経験を積み、そして今分かれた友達も、また何処かで再会出来る』と。子供はどんな経験もプラスに変える柔軟な力を持っています。(2013/9/22)
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